sukerokuのアーリーリタイア(を目指す)記録

アーリーリタイアをする資産は一応あるが、色々なしがらみや心理的なハードルから思いきれないでいる半端モノの記録

アメリカ(特にシリコンバレー)を見習え的は本や主張はゴミ

 

本や雑誌、ネットの記事をみていると、特に成功者や専門家に多いのだが、アメリカ(その場合は殆どシリコンバレーという非常に限定された地域の話が多い)を見習えという論調が多い。

 

ある意味これはトレンドなんであろう。あとから振り返ればそういえばあの時はそういう空気感があったなと客観視できるだろうけど、同時代ではそれが常識になっているのでそういう思考を客観視することは難しい。

 

例えばバブルの頃のJapan as No.1がそうであったし(アメリカからは学ぶことはない)、日本の土地神話、ネットバブルなども同じであろう。

 

しかしアメリカに見習えなんて土台無理な話。国民性が全然違うのである。コロナ禍を見ていて本当によくわかった。欧米は個人主義が非常に強い。コロナで多少全体主義が入り込んだが、それでも人と違うことを許す文化がある。だから周りがワクチンを打っていようが、マスクをしていようが、自分は打たない、しないということが比較的許されるし、そのように考える人も多い。

 

一方で日本は周りと同じであることが最上位の価値概念なので、自分は違う方が良いと思っても、それが周りと違うならむしろ周りと合わせる方に行動する。

 

このような国民性はないが年月をかけて培われてきたものでこれを変えることは短期的には不可能である。しかもこのような国民性には別に良し悪しはないのである。一見、アメリカ経済が好調だから個人主義の方が優れているように思うが(すでにそのように思考するメンタルになってしまっている)、別に全体主義で成果を上げられるならそれはそれでよい。中国などが良い例である。

 

日本人の同質化思考は変えられないのであるから、それを前提にしていかにして他国と経済面で戦っていくべきかと考える方がよほど理にかなっている。経営戦略の基本は差別化である。似非欧米思考を追求したってそれは単なる真似事、偽物でしかない。

 

偽物が本物に勝てるわけがない。であれば自分らしい本物で勝負をすべきではないか。日本人のこの超横並び意識をどうやって活用したら欧米企業に勝てるのかということこそ日本の経営学者や経営者が考えるべきことである。

 

それなのに日本の経営者や経営学者は日本人の思考を変えようとしている(欧米風に)。そんな無茶なことを志向しても仕方がない。どうしても欧米式の思考の方が優れているように思うがそれは錯覚である。時代的にどのように洗脳されているだけである。

 

変えられない日本人のメンタリティや行動様式を前提にした経営論や経営学がもっと出てきても良いだろう。