週刊文春 家の履歴書 矢玉四郎さんの回に思う①
週刊文春の家の履歴書は好きな連載。
著名人が自分の過去を、その時々に住んだ家と共に回顧するものだ。
自伝が好きな自分にとってはとても面白い連載。どんな人の自伝も面白い。これは著名人でなくても同じ。ある程度の年齢を重ねている人であれば、別に偉業を達成しなくても色々な経験があり、そしてその経験から読者が学ぶことも多い。
文春の2021年11月18日号の家の履歴書は児童文学作家の矢玉四郎さんであった。
この方は知らないし、有名な児童文学のシリーズも知らなかった。しかしかなりの才能の人のようだ。もともとは漫画家としてデビューしそれなりに成功をおさめたが、その後児童文学者に転身しそこで大きな成功を収めた。
どんなに成功してもファイナンシャルリテラシーがないとお金で苦しむということがこの人の歴史から分かる。70歳まで借金があったそうだ。決して金遣いが荒いギャンブラーというわけではなく、税理士や周りに言われるままに家を建てたりしているとそれだけの借金が残ったとのこと。
もちろん借金はそれだけで悪いとは思わない。それが働く原動力になることもあるだろう。しかしそれは結果論であってできれば借金がない方がベターであることは言うまでもない。
この人の記事を読んでいて気になったのは作家として成功して収入が増えた時に税理士から税金が大変なことになるからどんどんお金を使えと言われたとのこと。それに従って色々と使った。
芸能人とかでもよく言っているが経費をどんどん使えと税理士に言われるらしい。僕ならこんなバカな税理士は使わない。税理士も悪いが結局知識のない本人が一番悪い。たしかに経費を使えば税金は減らせるが、しかし現金も同時に減るのだ。現金を残すという目的なら余計なものは経費で買わずに、税金を払えば良い。
必要なものであれば買えば良いし、それを経費にすればトータルで現金を節約できる。しかし不要なものを経費として買って喜ぶのはバカである。単に現金が減るだけ。
まぁ、昔と今では税率が違うし、個人なのか法人なのかで異なるのだが。昔の税率であれば税金を払うよりも経費で使った方が手取りのキャッシュは増えたのかもしれない。
実際に計算してみよう。
A:例えば税率が40%であれば
1.経費を使う:100円を使って、40円をセーブできる。-100+40= -60円
2.経費を使わず税金を払う:40円を税金として払う。-40円
この場合は現金の減少は2の方が少ない。
1.経費を使う:100円を使って、55円をセーブできる。-100+55= -45円
2.経費を使わず税金を払う:55円を税金として払う。-55円
この場合は逆に現金の減少は1の方が少ない。
所得税が高いとこのようなおかしなことが起きてくる。
Bは、経費として使った方が手元に残る。しかも買ったものも手元に残る。
これはかなりいびつな状況だと思う。こうやって皆がどんどんとお金を使うから経済が回るのかもしれないが、実需に基づいた経済ではないので、景気が悪化すれば一気にし萎むことになる。
それにしても不要なものを購入するというのもつらいね。
今年はふるさと納税でそれを実感している。欲しいものがないのに何百万円も使わないと損になってしまうという矛盾。