「買える＝買う」ではないということ

いつも思っていること。

僕は「買える」ことで大抵は満足するので本当に必要なものしか買う必要がない。一方で、買わないと満足しない人がいる（この方が多いと思う）。買わないと満足できない人は人生はうまくいかないと思う。

僕のように買えることで満足せよとは言わないが、少なくとも買うことで満足するのではなく、使うことで満足するように持っていく必要がある。大量に買っても使えないので、使うことで満足することができれば無駄な買い物も減るだろう。

お金をいくら稼いでも手元に残らない人は、買えることで満足するか、使うことで満足するように思考を変える必要があると思う。

自分が購入できる範囲で目いっぱいのモノを買う人がいるが、こういう人はいつまでたってもお金は貯まらないし、満足もできない人になる。

例えば車であれば、ローンを組んで返済計画を考えると800万円までの車を購入できるので、800万円の車を購入してしまう人。僕の感覚ではこういう人は信じらない。

なぜなら、「購入できること」と、「購入すること」はイコールではなく、その二つには大きな隔たりがあると思っているから。両者をイコールと考えている人は、金に苦労する人。

僕の場合は、購入できるということである程度満足できる。いつでも買えるという状態。他の人がそれを持っていても、いいな～と思いつつ、買おうと思えばいつでも買えるという感覚をもっていると不思議とそれほど欲しいと思わない。

結局モノは、およそ欲しいと思っている時が一番楽しくて、実際に手に入れるとその喜びは半減する。場合によっては手に入れて瞬間から興味がなくなることも多い。

旅行に行くときはいく前に色々と想像して計画している時が一番楽しくて、行ったら色々と面倒なことがあったりと、頭の中で空想している時ほど楽しくなかったりするのと同じ。頭の中で想像するのは自由で楽しいことばかりだが、現実には旅行と言えども嫌なことがあったり、面倒なことがあったり、疲れたりする。

欲しいな～と思っている時がやはり一番楽しいので、その楽しさをなるべく持続させるには、そう思いながら買わない期間を延ばすことだと思う。つまり、結局買わないということ(笑)。

実際車でも、2000万円のポルシェを買おうと思えばいつでも買える。が、そう思うとあまり欲しいと思わないのが不思議。本当に欲しければ買ってる。

「買える」という状態の定義も人によって異なる。ローンをして、さらに返済シミュレーションをしてギリギリ購入できるのを「買える状態」と意識している人もいれば、僕のように、「現金で、当日か翌日にすぐに用意できるお金で、仮に全損しても問題ない（財務的、精神的に）」レベルを「買える状態」と定義している人もいる。

ゆえに、僕の場合は車であれば300万円くらいであれば「買える」レベルだが、2000万円になると、買おうと思えば買えるが、2000万円を全損すると、やはり精神的なダメージがあるので、これは「買える」状態とは考えない。

実際これまで購入した車は外車がメインだが、5年落ち程度で、最大で350万円くらいで、下は数十万円レベル。むしろ今乗っているハイブリッドの中古の国産車の方が一番高い車（350万円くらい）。

都内でみていると高級車が多数走っているが、みんなすごいな～、買えるという状態が僕とは全然違うな～と思うね。贅沢品は余裕で買えるレベルで買うということ。少しでも躊躇する、買うために頑張るようなレベルでは、それを買うに値しないと僕は考えているが、殆どの人はそうは考えていないね。

「できる状態にある」ことで満足することは何も買い物だけはない。例えば、タクシーに乗るとかでも同じ。いつでもタクシーに乗れるが、あまり乗らない。これも同じで、「いつでも乗ろうと思えば乗れる」ということと、「実際に乗る」ということは分けて考えている。

「いつでも乗ろうと思えば乗れる」状態にあると、意外に乗らなくても平気だったりする。むしろ電車やバスなどを乗って少し遠回りしていても楽しい。なぜなら、タクシーに乗れなくて仕方なく、電車やバスに乗っているのではなく、タクシーに乗れるがあえて電車やバスに乗っている状態だから。

「仕方なく、〇〇」というのと、「自分で選択して、〇〇」というのは、状態としての〇〇は同じであっても（例えば電車に乗っている）、心の持ちようは全く異なる。

「いつでも〇〇できるが、あえて〇〇していない」状態というのはかなり余裕がある状態。「仕方なく〇〇している」状態は余裕がない状態。この二つの違いは外からみれば同じ状態であっても全く異なる。

最近は旅行に結構いっているが、これも同じで、毎日旅行をしていると旅行ではなくなるので、旅行を楽しむのにはある程度退屈で平凡な日常が必要なのである。