sukerokuのアーリーリタイア(を目指す)記録

アーリーリタイアをする資産は一応あるが、色々なしがらみや心理的なハードルから思いきれないでいる半端モノの記録

学校の勉強が役に立ったか?というのが愚門である。

 

学校の勉強が役に立たなかったという人は多い印象だ。

 

それは具体的に検証したというよりも(そんな人は殆どいないと思う)、何となくそのように言うのが常識になっているから相手が同意してくれる前提でそのように言っている感じがする。

 

よく言われるのは数学のサイン、コサインなどは全然実生活で使わないとか、数学の証明は使わないとか。数学が槍玉にあげられることが多いが他の科目でも同じである。たぶん直接的に役立つ事なんて殆どない。

 

僕は実は学校の勉強は役に立ったと思っている。なぜなら今の状態(もっというと社会人になってからの人生)に満足しているから。もちろんそれが学校の勉強のお陰かは分からない。だけど社会人になるまでは多くの時間を学校で過ごしたのだから(それと家庭の二つ)、学校が今の自分の状態に役立ったのだと推論できる。

 

学校でやっていることは基礎力のトレーニングである。だから具体的にそれが何に役立つのかということを目的としている訳ではなく、基礎的な力を作るためのあくまでトレーニングに過ぎない。だからそれが役に立つか立たないかは問題ではない。というような趣旨のことを村上春樹のどこかの小説で登場人物が言っていた記憶がある。

 

この意見に僕も賛成だ。その人が将来何になるか、どういうスキルを必要とするかは本人はもちろん、誰にも分からない。それが分からなければ準備はできないのか?そんなことはない。どんな人生を歩むにせよ必要となるような基礎力を身に着けることはできる。学校はそういう意味での基礎力を付ける場所だと思う。

 

学校では勉強だけが基礎力形成の手段ではない。友達関係、クラブ活動なども手段の一つだろう。もちろん学校だけではなく、学校外(バイトとか)や家庭も基礎力形成に役立っているだろう。しかし多くの時間を過ごす学校が基礎力を身に着ける土台となると思う。

 

それは明確にこれがこの力の形成に役立つとは言えない。しかしこれまでの実績を見れば分かるのではないか?今世の中で活躍している人は、何をしてきた人だろうか。多くは学校の勉強で優秀な成績をおさめてきた人ではないだろうか。もちろん例外はある。しかし世の中を動かしているのは学力のエリート達である。

 

このように考えると学校の勉強が役に立つと考えるのが自然であって、むしろ役に立たないと考えるのが不自然ではないだろうか?

 

役に立たないという人は冒頭で言ったとおり、具体的にこの勉強がこれに役立つとは言えないということを反証材料にしている。しかしこれこそがバカの印である。こういうことを言っている人は自らのバカさをさらけ出しているのである。

 

直接的な一次的な因果関係でしか物事を取られならないというのはバカだと思う。世の中はそんな単純な一次的因果関係で完結するのではない。ある物事が別の事に影響し、それがまた別の事に影響し、という具合に影響は連鎖していく。こういう間接的な影響の方が合計すれば大きいはずである。

 

また目に見える因果関係だけが因果関係ではない。世の中には分かっていないことの方が多い。自分が認識できることだけを信じるならそれはバカである。認識できる、理解できることだけを頼りにして生きていくことはできない。そもそも人間の脳や体、意識の事も全然分かっていないのだから、理解できることだけを頼りにして生きていきたいなら生きられないということになる。

 

結局こういうメカニズムが分からないものは結果をみて推量するしかないのである。つまり学校の勉強で頑張った人が概ね世間で活躍しており、良い暮らしをしている。この結果から学校の勉強は概ね役立つのだろうと推量するしかない。

 

これは僕らが日常生活で行っているのと同じことである。体のメカニズムは良く分からないが、こうやったら足が動く、腕が動くということが分かっている。これまでこうやって動かせたから明日もこうやれば動くだろうと推量して僕らは生きている。この例はものすごく基本的な事であるが、普段の生活における行動も同じである。

 

地下鉄に乗れば概ね会社に行けると思っているから地下鉄に乗る。そのメカニズムは分かっていなくても経験値からそれが分かっているからそれを信じるのであり、それに従って行動する。

 

学校の勉強が役に立たないと言っている人はこういうことが分かっていないのだろう。ある程度論理的に思考できる大人にはこういう説明はできるが(学校で基礎力を身に付けなかった人には無理だが)、子供にこれを説明するのは難しいだろうね。

 

子供がどうしても学校に行きたくないという引きこもり状態になったらどうか?無理やり学校に行かせることのメリットよりもデメリットの方が大きいかもしれない。その代わり別のとろこで基礎力を付けられればいいと思う。しかしそういう引きこもりの人は他の事にも無気力だったりするから、そういう場合は難しいなぁ。