働かないって、ワクワクしない?
タイトルの付け方がとても良い。原文では"The joy of not working"だが、日本語の「働かないって、ワクワクしない?」の方が圧倒的に良いタイトルだ。タイトルだけで読みたくなる。
ただし内容は結構くどい。400ページ近くあるが、大して中身はない。言っていることはタイトルのまま。それをよくもこれだけのページ数に展開できるものだ。それがすごい。
我々は働かないでいることに心理的な抵抗を感じる。それを取り除く必要がある。この本はしつこく、別に働かなくても、分かりやすい形で社会に貢献してなくてもいいんだと後押ししてくれる。この本を読みながら自分に納得させていく。
言っていることは分かるけど実際問題として働かないでぶらぶらとするというのは真面目な人間からすると結構難しいんですけどね。もともと怠惰な人は働かないでぶらぶらすることに罪悪感はないと思いますが、根が勤勉にできている人にとっては人が働いている時に何の生産性もないことをしているとしんどいのです。
気になった箇所、考え方こと
・リタイアした人へのある調査によると朝から晩まで自由時間というのはそれほど楽しいものではかったとのこと。
これはもちろんわかる。だから自由時間を楽しむには積極的な努力が必要だと思う。楽しむために努力するというのは一見矛盾しているようですが、そうでもないと思う。真面目な人間には適度な努力が必要
・「看る」こと!看るというのは注意深く見るということ。
これもよく分かる。注意深く観察したり集中することは意味の発見につながる。漠然とみていると退屈してしまう。注意深く見ると色々と発見があって楽しめます。
・何かを成し遂げる人は長時間働くわけではない。
これは実感としても本当にそうです。長時間仕事をしているように見える人に限ってアウトプットがお粗末であったりします。仕事をしている振りをしているだけ。仕事のアイデアなどは遊んでいる時や車を運転している時にふと浮かんだりします。
・米国人:休暇は仕事のための休息時間。欧州人:休暇は休暇を楽しむためのもの。
日本人は米国人よりももっとそうですね。仕事で疲れた体と心を回復させるための休暇。ストレス解消のためと当たり前のように言われます。それはおかしいと思いますね。休暇は休暇。休暇自身を楽しむものであって、仕事のための休暇ではないと思います。
言っていることは結局、「働かなくてもいいんだよ」ということだけなのであえて読む必要はないと思います。タイトルだけ覚えておけば十分か。