sukerokuのアーリーリタイア(を目指す)記録

アーリーリタイアをする資産は一応あるが、色々なしがらみや心理的なハードルから思いきれないでいる半端モノの記録

リタイアへの準備

 

英語の本だがとても参考になるので読む価値はあると思う。

 

How to Retire Happy, Wild, and Free: Retirement Wisdom That You Won't Get from Your Financial Advisor (English Edition)

 

 

 

これはアーリーリタイアにフォーカスした本ではないが、アーリーリタイアの人には特に参考になる本だと思う。

 

日本ではそもそもアーリーリタイアする人がすごく少ないので参考になるようなものはない。アーリーリタイアブログもあるが、少ない資産でお金を使わずに引きこもりタイプの人が多い。それが悪いわけではなく、家にこもってのんびりすることで満足できならそれはそれでいいと思う。僕の場合はそれをやるとたぶんノイローゼになると思うので、それならまだ仕事をしている方がまし。(けど段々と継続的に人と深くかかわったりするのは嫌になってきたし、考えの甘い人達と話したりするのも面倒になってきたし、積極的に仕事をしたいとは思わない。)

 

家に引きこもるのではなく活動的にリタイア人生を送りたいという人には参考になる本だ。具体的に参考になるというよりもどちらかというと精神面。自分が若い時分から(セミ)リタイアしていること、引きこもり型のリタイアではなく色々と自分の趣味活動を開拓している状況を肯定してくれるような本である。

 

著者曰く、リタイアにおいて財務的な準備問題はそれほど大きくない。むしろそれ以外にリタイアをして何をするかという点における準備不足がhappy retirementを阻害するとのこと。

 

1つの趣味でリタイア生活を乗り切ろうとするとかなり厳しい(例えばゴルフだけとか)。もっと色々と自分が没頭できることを開拓することで幸福なリタイア生活が実現できる。

 

これは僕の考えにとても近い。周りの人からすればもっとゆっくりすればいいのでは?と思われるかもしれないが、日々、ゴルフ、キャンプ、登山、釣りなどに忙しくしている。そしてそれぞれの活動においてある程度目標を持っている。

 

「リタイア=リラックス」という構図ではないところが重要である。多くの人はそのように考えていると思う。それで満足できればいいが、単にリラックスするだけだとすぐに飽きてくる。だからやっぱり仕事をしたいということになる。

 

ただしその時に思う「仕事がしたい」という気持ちは単に仕事を「暇つぶし」と考えている。積極的に仕事がしたいというよりは消極的に仕事がしたいと考えている。

 

なぜ他の事ではなく、仕事なのか?それは僕が想像するに(たぶん当たっていると思うが)、仕事は受動的にできるからである。つまり自分の頭で考えずに、振ってくるものを対応することで仕事になる(特にリタイア世代が言っている仕事というのはクリエイティブな自分の頭で考え、困難を乗り越えていくものではなく、比較的単純なものである)。

 

自分で何をするか考えて実行するというのは結構大変である。それは趣味であっても、仕事であっても同じ。多くの人はそういう創造的な活動が苦手だと思う(または長い間そういう世界から離れていたのでできなくなったか)。

 

仕事と趣味の違いは単にお金をもらえるか、もらえないかの違いだけである。仕事が苦して趣味が楽ということではない。楽しい仕事もあるし、苦しい趣味もある。例えば僕は山に登るのが最近は趣味だが、決して楽ではない。計画して、交通手段を考えて、ルートを考え、持ち物を考え、登山中も色々と考えないといけない。これは実は結構大変である。なので積極的に取り組まないと、消極的に登山というのはできないのである。積極的な趣味よりも消極的な仕事の方が余程楽である。自分で考える必要がないのだから。

 

子供の頃は多くの人は創造的だと思うし、世界に興味を持っている(もちろん全員ではない。好奇心のない子供もいる)。そういうワクワクとした感情が長年受動的に生きてきた結果、失われる。そして受動的でないと生きられなくなる。能動的に自ら動いていくにはとても大きなエネルギーが必要になるからだ。

 

僕はリタイアへの準備ということを最近とても意識している。これはリタイアしてからでは当然ダメだし、リタイアする5年前でもダメだと思う。リタイアの本を読むと、リタイアする少し前から考え始めろというアドバイスがあるが、それだと全く間に合わないと思う。まだ若く、好奇心のある30代、40代あたりからリタイアを見据えて複数の本気になれる趣味を開拓しておく必要がある。それも考えるのではなく、行動するのだ。

 

60歳になってから新しいことを始めるのは結構大変である。だからこそもっと若いうちに開拓しておく必要がある。これを分かっていない人が多いと思う。

 

40代だって全く新しいことを始めるのはそれなりに大変である。4年くらい前から釣りを始めたが始めは分からないことばかりで辛かった。初めて乗り合いの船に乗った時も振る舞い方が分からず大変であった。昨年登山を開始した時も同じく色々と分からないことが多くて調べるのも大変。実践しても大変。そうやって困難を乗り越えながら少しずつ楽しめるようになってきた。

 

リタイアへの準備はなるべく早くから行動を起こすことが重要というのは上記のような個人的な体験からきている。もちろん60歳になっても、70歳になっても新しい経験を積むことに躊躇のない人もいるだろうが、それは少数派だろう。その頃になると、多少新しいことに取り組むことはできれば、それはある程度の土地勘のある分野だろう。その土地勘をある程度若い頃に養っておくといいと思う。